ホンダヨンダメモ/Z

読書メモ。読んだもの観たもの聴いたもの。

『幽霊綺譚』

2023年8月4日(金)

昨夜の夢。ハンブルクの中央駅(という表示がある)にいる。なぜかひとけのない、殺風景な風景。アルスター湖はどちらか、港はどちらか、と思いつつ歩く。いつのまにか、Y先生や新型コロナで亡くなった友人、その他数名と路地を歩いている。日本の居酒屋のようなところに入り、ビールを飲む。なぜこんなに日本風の店が並んでいるのだろうと考える。ひとりで店を出て、さて「本当のハンブルク」はどこだろう、とあたりを見回す……。

入手本

『幽霊綺譚 ドイツ・ロマン派幻想短篇集』
ヨハン・アウグスト・アーペル/フリードリヒ・ラウン/ハインリヒ・クラウレン著
識名章喜訳 国書刊行会 2023/7/24

https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336075208/

E.T.A.ホフマンが「おばけ」の話を書きはじめる少し前に書かれた作品集『幽霊の書(幽霊綺譚)』全5巻(1810-15)からいくつかの作品がフランス語に訳され、『ファンタスマゴリアーナ』というタイトルで出版される。1816年、それをパーシーとメアリーのシェリー夫妻、そしてバイロン卿がレマン湖畔のバイロンの別荘で朗読し、よしそれじゃあ各自ひとつずつ怪奇譚を書こうじゃないかとなって ー そこから『フランケンシュタイン』が生まれる。その『ファンタスマゴリアーナ』に収録された作品+α、13篇を日本語に訳したのが本書、とのこと。

ひとくちに「ドイツ・ロマン派」と言っても、その裾野はけっこう幅広い。その一端が紹介されただけでも価値がある。いやしかし、よくまあこんな本が今出たものだ。さっそくうちの「例の棚」に並べた。夜の読書タイムで読むことにしよう。