ホンダヨンダメモ/Z

読書メモ。読んだもの観たもの聴いたもの。

2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

メリーナ・マーケッタ『アリブランディを探して』

メリーナ・マーケッタ『アリブランディを探して』(岩波書店、2013年1月) うん、これは「YA文学」というジャンルの典型的作品だ。標しづけられた主人公、集団からの疎外と「ほんとうの仲間」の発見、発揮される才能、出自の秘密、恋愛とセックス、自分探…

『もやしもん 12』は日本酒とセーラー服

石川雅之『もやしもん 12』(講談社、2013年4月) youthからadultへの移行期において、ややこしいことをややこしいこととしてそのままにしつつ、自分がどこに向かっているのかよくわからぬまま、しかし妙に一生懸命になれ、変に充実した(気分の)日々を過ご…

『ことばの力学」と『漢字雑談』、二冊の新書を読んだ

白井恭弘『ことばの力学 — 応用言語学への招待』(岩波文庫、2013年3月)と高島俊男『漢字雑談』(講談社現代新書、2013年3月) 先月出た新書の中で、言葉に関するもの2冊を読んだ。 『コトバの力学』は、タイトル通り、「応用言語学」の入門書としてとても…

ことばと思考、社会と言語

ガイ・ドイッチャー『言語が違えば、世界も違って見えるわけ』(椋田直子訳、インターシフト、2012年12月5日、原著2010年) 「言語と文化」について興味のある人間は「サピア・ウォーフ仮説」に代表される言語相対論とチョムスキーの生成文法に代表される普…

「外国語学部」への(気の早い)ノスタルジー

黒田龍之助『ぼくたちの外国語学部』(三修社、2013年3月30日) 黒田龍之助とは同年の生まれなのだ。ぼくとは資質において性格において考え方において異なるところ多だけれど、この本の最大のテーマであろう点に、ぼくは大きく頷く。 「外国語学部にはいろん…