ホンダヨンダメモ/Z

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「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開」展、「挑発関係=中平卓馬×森山大道」展

2024年8月16日(水)

台風が昨日やってきて、昨日から今日に書けて東海から鳥取岡山あたりまでに強い風雨をもたらした。昨日は新幹線なども計画運休に。鳥取では大きな被害が出た。

我が家はこの2日間もともと奈良に行く予定だったのが行けずじまいになったので、展覧会に行くことにした。

アーティゾン美術館「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ」展

盛りだくさん。楽しめる。ただ、たくさん並べたなあという感じなので観ていってどこかに焦点が結びはじめるわけではない。そして前半は充実感あるけれど、後半(「現代へ」の部分)はなんとなく散漫だった気もする。

美術館のカフェでお茶をし、明治屋で買い物をして帰る。銀座線は海外からの観光客と覚しき人たちがたくさん乗っていた。そしてけっこう混み合った電車内では、もはやマスクはかなりの少数派になっている。政府が「5類だ」と言いそのあとは「新型コロナ」のシの字も言わなくなったら、みんなああパンデミックは終わったんだなと思いこみそのように行動するのだから、国民なんてチョロいものだ。

 

神奈川県立近代美術館葉山館「挑発関係=中平卓馬×森山大道」展

クルマでツマと葉山へ行き、美術館の開館とほぼ同時に到着。まだ道は空いていたから、巷は夏休みが続いているのだろう。

コレクション展は「加納光於 色(ルゥーパ)、光、そのはためくものの」。1933年生まれで今回も新作ありというのはすごい。ここは加納の作品を約200点所蔵していて、そのうち半分ほどを今回展示しているとのこと。

加納光於の溢れるような色のほとばしりのあと、中平卓馬と森山大道による白黒写真の世界へと進む。中平と森山は同じ年に生まれ、出会ったときはともに逗子に住んでいた。寺山修司、「プロヴォーク」、そして各自の道の模索へ。展示は神奈川県内で撮影されたものが中心だが、雑誌の展示も含めて、ふたりの歩みが見通せる構成になっていた。

森山大道を私は(当時の高校生男子としてご多分に漏れず)雑誌「写真時代」で(荒木経惟や倉田精二とともに)知ったわけだけど、中平の作品とこうやって対峙させることで、1970年代・80年代が見えてくる。図録(月曜社より刊行)は、もちろん買うでしょう。

美術館のレストランで海を眺めながらお昼ご飯を食べる。一色海岸では台風の影響で不安定な天気ながらも海水浴客が重苦しい夏を軽やかに楽しんでいた。