今年最初の美術展は、国立近代美術館「大竹伸朗展」。2022年11月1日から2023年2月5日まで。私と妻は近美の年間パスポートを持っているので、それを使った。
https://www.takeninagawa.com/ohtakeshinroten/
絵本好きなら『ジャリおじさん』でお馴染みの大竹は、「現代美術」のイメージを体現するような作家だ。転移と堆積、記憶と現前のリアル。そして気の遠くなりそうな物量と「労働」。それをこれだけのボリュームで展示されると、大竹伸朗の記憶の地層のなかに体ごと埋め込まれてしまうようで、消耗し、息苦しくなるほど。
会場のど真ん中には、2012年のドクメンタで展示された「モンシェリー:スクラップ小屋としての自画像が。
よく日本に持って帰ったなあ。
スクラップ・ブックも肥大化すると芸術になる。偏執狂的ナンバリングと糸のもつれ。観ている方もおかしくなるのか、ちょっと挙動不審な人もちらほらいた。そして、「音」のコーナーもすごかった。
コレクション展のほうに、さりげなくクルト・シュヴィッタースのコラージュ作品や村山知義のミクスト・メディア作品(「コンストルクチオン」)が置かれていて、さすが近美だと思う。そのほかコレクション展は見所多いので、大竹伸朗展観たあとでぜひそちらも。